斜視

斜視とは、
眼の視線が正しく見る目標に向かない状態で、両眼視の異常(物を立体的に見ることができない)や、視力の異常を伴うものをいいます。

眼球の向きによって、
内斜視・外斜視・上斜視・下斜視・内方回旋斜視・外方回旋斜視斜視などの種類があります。

通常の斜視は共同性斜視で、どちらの眼で固視しても、どの方向を見ても、斜視の角度が同じであるものをいいます。
眼筋(神経)麻痺による斜視を麻痺性斜視(眼筋麻痺)といい、これは非共同性斜視です。

斜視に関係する筋肉と脳神経

斜視に関係する筋肉は、外眼筋の上直筋・下直筋・内側直筋・外側直筋・上斜筋・下斜筋です。

斜視に関係する神経は、第3脳神経(動眼神経)第4脳神経(滑車神経)第6脳神経(外転神経)です。

第3脳神経(動眼神経)

上直筋・下直筋・内側直筋と下斜筋を支配。

上直筋・・・眼球を上に向ける。
下直筋・・・眼球を上に向ける。
内側直筋・・・眼球を内側に向ける。
下斜筋・・・眼球を上・外側に回旋させる。

第3脳神経(動眼神経)が麻痺した場合、外斜視を生じます。
外側直筋と上斜筋のみの動きとなるため、眼球の動きは外方向と下方向に制限されます。
動眼神経は、上眼瞼挙筋も神経支配しているため、上瞼(まぶた)の下垂(垂れ下がった状態)を生じます。

第4脳神経(滑車神経)

上斜筋を支配。

上斜筋・・・眼球を下・外側に回旋させる。

第6脳神経(外転神経)

外側直筋を支配。

外側直筋・・・眼球を外側に向ける。

第6脳神経(外転神経)が麻痺した場合、内斜視を生じます。

斜視の原因と治療法

麻痺性斜視(眼筋麻痺)

麻痺の原因は、腫瘍・動脈瘤などによる脳神経の圧迫や、糖尿病など疾患による末梢神経の麻痺からくる神経圧迫などです。

共同性斜視(通常の斜視)

原因は、眼筋のバランスが悪い、眼筋の付着部に異常がある、眼筋の支配神経に異常がある、眼筋そのものに異常がある,片眼の視力が悪い、強い遠視や近視がある、遺伝的なもの(詳しくは分かっていない)などです。

治療は、コンタクトレンズ・メガネなどを使う方法や注射で強すぎる眼筋を麻痺させる方法、手術で眼筋の長さを変えたり眼筋の付着部をずらしたり、です。
いずれも眼科などの医療機関にて行われるものです。

斜視の整体施術

眼球を動かす脳神経は蝶形骨の上眼窩裂という孔を通ります。蝶形骨は眼窩の奥の壁を構成する骨でもあります。
この蝶形骨が歪むことで脳神経を刺激したり、脳硬膜が緊張することで斜視を発症する可能性があります。
特に外転神経は上眼窩裂の狭いところを通ります。
外転神経が麻痺すると内斜視、刺激されると外転筋が緊張し外斜視になります。

頭蓋骨矯正をすることで蝶形骨の歪みや硬膜の緊張を解消します。
斜視が蝶形骨の歪みや硬膜の緊張からきている場合には改善が期待できますが、症状改善までには数か月の通院が必要です。

頭蓋骨矯正は、ゴリゴリ捻ったり押したりしません。
頭蓋骨は脳を保護する骨という性質上、施術は慎重に行います。
ほとんどの方は施術中眠ってしまいます。
非常にソフトな施術のため受けた感覚が無いまま終わってしまいます。
その点ご理解いただける方のみ施術をお受け致します。