顎関節症の主なチェックポイント

咀嚼筋のスパズム(痙攣)・特に咬筋
咬筋(上図ネッター解剖学図譜参照)は物を噛むときに使う筋ですが、動きの悪い顎関節の側の咬筋を触診すると硬く張っていることが多いです。口を開けるとき咬筋は緩まなければいけないのに力が入ってしまう状態です。痛みなどの症状は反対側の顎関節にでる場合もあります。
・・・カウンターストレイン・テクニックや筋エネルギーテクニック(MET)などで、筋の緊張をとります。咀嚼筋のほとんどは三叉神経の下顎神経支配を受けていますので、この神経に神経圧迫があればとります。

顎関節の圧縮/顎関節の可動制限
口を開けるとき、顎関節に制限があると下顎が前方に出て行かないので、蝶番のような動きになってしまうため、口を大きく開けられなかったり、顎関節周辺の筋が張るため痛みがでたり、すぐ疲れたりします。
・・・顎関節の圧縮と減圧を行って顎関節の可動域を広げます。

頭・首の後屈制限
口を開けるとき、頭全体が後ろにのけぞることで、下顎はより大きく下に開くことができます。頭・首の後屈制限がある場合、下顎が開くスペースが狭くなります。仮に下を向いた(自分のヘソを見るような)状態では、口は指1〜2本分くらいしか開けられません。
・・・環椎後頭関節〜頚椎椎間関節〜上部胸椎椎間関節・上部肋椎関節を矯正します。

頭蓋骨の歪み
側頭骨が捻れ左右非対称になっていると、顎関節の位置が左右で違ってしまうため顎関節に無理がかります。上顎骨が歪んでいると噛み合せが悪くなるため噛み締めたとき顎関節に無理がかかります。また、後頭骨と側頭骨の間の孔(頚静脈孔)を通っている神経(副神経)が、僧帽筋と胸鎖乳突筋を運動神経支配しています。頚静脈孔で神経圧迫されると僧帽筋と胸鎖乳突筋がスパズムを起こし頭蓋骨が歪むと顎関節に影響が出ます。
・・・頭蓋骨を矯正します

胸椎・胸郭の歪み
左右の肩の高さが違う場合、胸椎・胸郭に歪みがあります。この部位の歪みは肩こりや上肢の痛みの原因にもなります。
顎関節との関係は、直接的には、胸郭の前部の胸骨・鎖骨から舌骨を経由して口を開く筋がでています。胸郭が歪むと胸骨・鎖骨が体の中心からずれるため、口がずれて開きます。間接的には、僧帽筋・胸鎖乳突筋が鎖骨・胸骨・肩甲骨から後頭骨・側頭骨にでていますので、胸椎・胸郭の歪みがこれらの筋を経由して後頭骨・側頭骨を歪めます。その結果、顎関節の位置が左右で違ってきます。
・・・胸椎・胸郭を矯正します

骨盤
骨盤が歪むと脊柱の土台が傾くことになりますので、頚椎・胸椎・胸郭などに歪みがでます。また、仙骨と頚椎2・3番と後頭骨には硬膜が強く付着しているため、仙骨の歪みは頭蓋骨の歪みの原因になります。どこかに歪みがあると、他の部位に影響がでますので、結局は全体的に矯正します。

多少、歪みがあっても、それだけでは症状はでないようです。通常は、どこかが歪み機能障害となっても、補正作用(かばう作用)が働くため、ほかの部位がカバーするためだと思います。無理が続いて、かばいきれなくなった時、痛みがでるようです。歪みが残っている状態でも、ある程度機能障害が改善されると症状はでなくなります。

顎関節の構造

顎を動かす筋肉

顎関節の動き

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